女子ワールドカップ…事実上の決勝戦とも思われたクオーターファイナル。
2019.06.29
アメリカとフランスのクオーターファイナル。開催国でもあるし、近年アメリカに対してもテストマッチで結果を出しているフランスは優勝候補とも言われている今大会。その激突。
試合開始からアメリカが圧力をかけて攻め込み、フランスは先手を取られた感じか。すると5分、ペナルティエリアすぐ外のフリーキックが直接ゴールに吸い込まれてアメリカが先制。
フランスも徐々にペースを取り戻して反撃に出るが、アメリカを押し込んでいるように見えるがクロスを放り込む攻撃ばかりで、アメリカの守備網を崩せてる感じは全くなく。。。
数日前にもアメリカの守備網について少し触れたが、4-3-3のフォーメーションで、相手ボールになるとすぐに4-3の2ラインを敷いて待ち構える。前線の3枚はあまり下りてこずにカウンターに備なえているが、サイドにボールを運ばれてスライドして逆サイドが空いた時にはウイングが下りてきてスペースを埋める(中盤3枚がサイドに釣り出される形はとらないで、最終ラインが5枚に)という対応を見せたりする。相手陣内でボールを奪われた場合でも、前線の両ウイングは高い位置を保っている感じで、中央の選手が下りてきて(0トップのような形で)中盤の守備に参加するシーンもあった。
ボールを奪ってビルドアップになると、中盤とサイドバックが押し上げて前線のウイングとの関係で攻撃の起点とし、実にシステマティックというかコレクティブなシステムですな。これは実際、今大会はゴールキーパーとセンターバックとの連係ミスでの失点1つだけということからもわかるように、現在の女子フットボールの戦術ではなかなか崩せないだろう。
その分、アタッカーに流れの中からシュートチャンスが多く訪れるかというと、そこはやはり少なくなる。ま、セットプレーでゴールをこじ開けるし、得点力が低いなどということでは全然ないんだが。あとは攻撃にイマジネーション性はあるとは言えないけどね。
後半にカウンターから追加点を奪って2-0とした後は、中盤の中央(←まぁアンカーと言ってよいかもだが…そこまで通常のアンカー然としたポジションニングでもないが…)がセンターバックの間に落ちて5バックにし、5-4-1の形をとって逃げ切りに入ったが、この形の5バックはいつもやってるのかどうか知らんが、あんまり有機的な感じはしなかった、、、かえってフランスに押し込まれる展開になったような気がするが。
ということで、フランスは残り10分あたりでセットプレーからヘッドで捻じ込んで1点差に追い上げたが、そのまま2-1でアメリカが逃げ切りに成功。ただ、ペナルティエリア内でフランスのクロスがアメリカのディフェンダーの腕に当たり、VARも入らずPK判定が下されなかった場面は首を傾げる。日本がオランダ戦でのアレがPKなら、この場面もPKだし、もっともPKにするかどうかは主審の判断だからどっちでもよいんだが、VARも入らなかったことが疑問を感じる。明らかに腕に当たっていたわけだし。
VARの結果としてPKではないなら、それでいいんだが、要は、VARを入れるケースについて基準みたいなものが曖昧。そこら辺を明確化しないと不平等が生じるし、そもそも今大会、VARで止まるシーンが多いしVARの末のPKも多い。これは好ましいことではないと思いますね。
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